2010/01/28

再挑戦

 息子にせがまれ、先日の指切り事件後初めて、再びの包丁に挑戦。よりによって切らなければならないのは先日と同じ巨大なカブ。息子は平気でやるやる言うけど、まだ指の傷跡もくっきり残っているし、私の心臓が持たぬ。今回は慎重につきっきりで完全サポート体勢。

 自分で切っていると、カブなんてやわらかいし切りやすいと思っていた。けれど息子の様子を見ていると、やっぱり3歳児の力というのは大人とは比 べものにならないくらい小さいのだな、ということに改めて気がつく。あの丸い形を左手で押さえる、ということがまず難しい。包丁をぐらつかせずにしっかり 握る、ということも難しい。カブの堅さに、すぐ包丁がとらわれ、前にも後ろにも動かせなくなる。切っていくうちに小さくなったカブを指先で押さえるのがま た難しい。

 本日のノルマは直径8〜9cmくらいのカブを2つ、薄切りにすることだったのだけれど、ひとつ目の3/4くらい切ったあたりで座り始めたりして 疲れが見えてくる。私が切ろうか?と申し出ると、それは嫌だと言う。そうは言ってもあまりにも進まないので、私と一緒に切るということで同意を得る。息子 の背後から一緒に押さえ、一緒に包丁を持つと、息子の緊張が伝わる。身体のあちこちに力が入っているのが分かる。

 力を抜かせながら、カブに包丁がすーっと入っていく感覚を感じてもらう。これをやった直後は、息子がひとりで切ってもうまくできることが多い。 のだが、なにせ前回の指切り事件の時も含めて、私に教えてもらうことすら悔しいのだ。前回指を切ったからこそ、今回の私の介入も許されたわけで、3歳児の 「自分でやる!」気の強さは、すごい。

 とにもかくにも、息子と私と交代したり一緒に切ったりして全部のカブを切り終える。ほっ…とした思ったら焦げ臭い!土鍋ご飯は鍋からはがれない ほどの炭のようなお焦げができ、鶏肉の生姜煮は焦げ付く寸前、ギリギリセーフ。カブは甘酢漬けにして明日のお楽しみ。なんだか妙にやりきった満足感の中、 息子と2人、遅めのおいしい夕食となったのでした。

2010/01/25

「よし、やろう! やったことないけど」


子どもの頃のこと。小学校の高学年だっただろうか。その日、仲の良い友達と二人で遊んでいて、なぜか突然パンを作りたくなった。僕も友達も日常的に料理をするような子どもではなかったし、とりたててパンが好きなわけでもなかった。でもなぜかその時二人は、パンを作って食べるのがとても魅力的なことに思えた。作りたいと思ったって作り方なんか全くわからなかった。材料も知らない、道具も何一つない。

結局、「作れたらすごいなぁ」とかいいながら、実現することはなかった。

最近になって、白井ちゃんとライ麦粉と強力粉で、ダッチオーブンを使ってカンパーニュなんて焼くようになって、ふとそんな小さな思い出が蘇った。あれから30年ぐらいかかって、僕はパンを焼くこともできるようになったわけだ。子どもの頃に描いた小さな夢を叶えることができて、ヨカッタヨカッタ、大人になるってスバラシイ・・・

という可愛らしいエピソードで終わってしまっても良いのだけど、僕はどこか引っかかっていた。

だって、考えてみればパンをつくるのは酒を飲んだり、煙草を吸ったりするような年齢制限のあることではない。子どもだから作ってはいけないという法律はない。もちろん上手につくるにはそれなりの技術がいる。でも子どもだからできないというよりは、やったことがないからできないという技術で、大人だって初めてやるにはそれなりに難しいことだ。子どもだからできないという理由はない。

去年の夏、初めて参加した現代手づくり玩具館のキャンプでは、パン生地を竹の棒に巻きつけて焚き火にかざしてロールパンを焼き、ランチにした。生地をつくるのは大人のスタッフがやったけれど、巻きつけて焼くのは子どもたちだ。多少うまくできなくったって、十分に食べられるものができて、それはとても美味しく、何度も「おかわり」をした。幼児だって上手に焼いて美味しそうに食べていた。

それなのに、当時小学校高学年だった僕たちは、どうしてパンをつくることを諦めたのだろうか。

最初からできるはずがないと思っていたような気がする。自分たちだけではできなそうなときに、だれか手伝ってくれそうな大人に相談することを思いつかなかった。真面目に取り合ってくれそうな大人を知らなかった。周りにいたのかもしれない。でも、子どもだった僕たちの目には写っていなかった。どんな大人だろうと、相談すればきっと怒られる、やめさせられると思っていた。

かすかな記憶だと、結局僕らは「ホットケーキなら作れる」と思い当たった。そして、二人でホットケーキを作った・・・かどうかは、実は覚えていない。

ホットケーキは手軽だ。粉を買ってきて牛乳と卵を混ぜてフライパンで焼けばできる。想像するに、たとえ作ったとしても、たいした問題もなく、いつも食べ慣れたホットケーキができあがって、それを食べたんだろう。覚えてないのは記憶に残るほどのことが起きなかったからだ。それ以降、こういう出来事は起こらなかった。

もしも、あの時、本気でパンを作ろうとしていたらどんなことが起こっただろう。どんな失敗をして、どんなふうに大笑いして、どんな貴重な感情をみにつけただろう。

そして、僕はいつの間にか大人になって、もう一度思うのだけど、子どもたちに「パンを焼きたいんだけどどうしたらいいの?」と問われたときに果たしてどう答えるだろう。「筏を作って川を下りたいんだけどどうしたらいいの?」と問われたときは? 「飛行機を作って飛びたい」と問われたときは?

いや、その前に、そういうことを相談されるような大人というのはいったいどうすればなれるんだろう。

簡単じゃないけど、身近なことからしか始められない。だから僕たちは、失敗してもくじけずにパンを焼くんだと思う。手づくりの楽器を作って演奏してみるんだと思う。やったことがないことをやってみたら、思った以上にうまくいった時のあの興奮を僕は子どもたちに知ってもらいたい。

もしも僕が誰かに相談された時、こんなふうに答えられたらいいなと思っている。

 「よし、やろう! やったことないけど」

気がつくとそれは、僕にとって合言葉みたいなものになっている。

2010/01/22

30日は東京です。授賞式!

梅ちゃんこと我らが梅田純平監督の「SHODAN~障害者ボランティア集団~」という映像作品が、「市民がつくるTVF」プレイベントに入賞しました。パチパチ! 
http://tvf2010.org/news.html 

入賞は159作品中15作品。僕は、主に撮影と一部演出、あとテーマソング「僕らのやり方」の作詞をしました。 

1月30日に東京で上映会と授賞式がありますので、お近くの方はぜひ。監督、出演者とともに大谷も行きます。久しぶりの東京です。審査をしてくださった椎名誠さんや高畑勲さんにも会えるみたい。楽しみです。 

=== 
市民がつくるTVF プレ・イベント 
開催日時:  2010年1月30日(土) 9:30~18:30 
会   場:  日本工学院専門学校 蒲田キャンパス デジタルシアター 
         東京都大田区西蒲田5-23-22 
         http://www.neec.ac.jp/access/index.html 
主   催:  NPO法人市民がつくるTVF 
       
プログラム:  
●入賞作品上映会 (開場9:15) 
  9:30~ 入賞作品15本を一挙上映 (解説:小林はくどう氏) 

●発表・表彰式 
  14:00~ 「優秀作品賞」の発表・表彰 
  15:00~ 「ビデオ大賞」の発表・作品上映・表彰 
●審査委員によるトークフォーラム 
  16:00~ 審査の過程で話題となった事などが語られます。 
          出演:羽仁進氏、高畑勲氏、椎名誠氏ほか、(進行:下村健一氏)

2010/01/18

ブログリニューアル!

長らく「お気楽通信」という名前で続けていましたブログをリニューアルしました。

題して「くらしくすぐる」。
まるネコ堂の暮らしのなかで、良いなと思うことなどをアレコレ紹介していく予定です。

なお、「お気楽通信」時代のエントリーも読めるようになっています。(ただし、すべての投稿者がtakになってしまいました。マサ子のエントリーもあったのですが、ごっちゃになってます。ごめんなさい。内容で適当に判断してくださいませ。)

2010/01/17

カンパーニュ、美味しく焼けました!

今日は、現代手づくり玩具館のおもちゃづくり&カフェの日。 
白井ちゃんといっしょに玩具館でカンパーニュ(丸いパン)づくりとコーヒー焙煎をしました。 
あ、もちろんおもちゃづくりもしたのですが、これはマサ子と玩具館の先生が二人でせっせと。 

カンパーニュを焼くのは今回で4回目ぐらいなんですが、これまでで一番うまく焼けました。くるみとレーズン入り。ダッチオーブンの加熱温度をいつもより高めにして(つまり炭をたくさんのせて)、焼いてみると、外側がカリッと、内側はしっとり、ほんとに美味しかった。 

来月のおもちゃづくり&カフェの日は2月7日(日)です。 
宇治市炭山でのんびりとした休日をすごしてみませんか。

ざっくり

 ついにやりました。息子、包丁で手をざっくり。

 おやつのおにぎりも自分で上手ににぎれて、まだまだやる気満々の息子。かねてから用意しておいた桐のまな板と子ども用の包丁を取り出し、さあこれがあんたの包丁とまな板だ、存分にやってくれ、と与えたその日に。嗚呼。

 巨大なカブに子ども用の小さな包丁で挑む息子。危なげな様子に見かねて一緒にやろう、と手を出そうとするも、あえなく拒絶される。大きい包丁にかえてあげた方が切りやすいかなあ、と思って目を離したその時。

 「やっちゃった。」という淡々とした息子の声。なにを?と思って振り向くと、そこには真っ赤に染まったカブと包丁を握ったまま立ちつくす息子。ぎゃぁあああああ!という心の声を押し殺し、傷口を見る。げ。けっこうやってるなあ。

 1時間半くらいは血が止まらず、血みどろティッシュの山となったゴミ箱であとから帰ってきたオットをぎょっとさせたけど、結局は絆創膏1枚に落ち着いて一安心。

 泣きもせず、痛いとも言わず(多分あまりにもびっくりして感じなかったんだと思う)、最後まで自分で切りたいと言い張った息子に、改めて本人の意志意欲と一人前ぶりを感じて、母はちょっと、あんた立派になったねぇ、と涙しそうになりましたよ。いや泣きませんけど。

 翌日、玩具館のセンセイに報告すると「ついにやりましたか。おめでとうございます」と。小さなケガや病気や失敗をたくさんたくさんやって、誰にも奪われることのない自分だけの確かなモノを培っていってくれたらいいな、と思うのです。

2010/01/12

育つ道具

今年に入ってマサ子が土鍋でご飯を炊くようになりました。これまでに何人もの人から、「土鍋のご飯はおいしい」と聞いていたのだけど、いざ食べてみるとまったくもって同感、ものすごくおいしくて毎食お代わり人生です。どうしてもっと早く始めなかったんだろうと悔やんでしまうほどのうまさ。

さて、土鍋で炊くようになってから、どうしてもほしいと思うようになった道具があります。

おひつです。

炊き立てのご飯をそのまま土鍋に入れておくと、火を消してからも土鍋の余熱でおこげが増えていくし、なにより鍋が水分を吸収しないので、せっかくのご飯が鍋の場所によってべちゃべちゃしてきてしまいます。そういう難点を解決してくれるのがおひつ。

そこで、おひつについて調べてみたら、これがなかなか素敵な道具でした。

使い始めはご飯粒がこびりつくので、ぬらしてから使い、当面は白米や玄米、麦ご飯といった油分のないもので育てるらしい。やがて、表面につやが出てくると、こびりつかなくなってくる。そうすると炊き込みご飯や酢飯を入れても、色が悪くなるようなことはなくて、半年ほどで釜揚げうどんや素麺の器にも使えるようになるんだそうな。見た目だけでなく機能も向上していくのはすごいです。曲げわっぱのおひつの情報だけど、江戸おひつや関西おひつでもある程度同じなんじゃないかな。

最近、似たような「育つ道具」を見つけ愛用しているものがあります。ダッチオーブンです。炭で煮炊きする鉄鍋だけど、これも使っているうちに、鍋の表面に酸化鉄の皮膜(黒錆)ができて、鍋の色が黒光りしてきて、やがて愛用者の間で「ブラックポット」と呼ばれるような「強者」になるんだそうな。こうなると、食材がこびりつきにくくなるし、たとえこびりついてもたわしでこすればすぐに落ちる。また、鉄ならではの弱点である錆にも強くなる。これも育つ道具の典型といえそう。

「育つ」といえば、陶磁器は使っているうちに貫入(かんにゅう。釉薬に入った小さな網目状のひび)に茶渋などが入って綺麗に網目が浮かび上がって味わいが出るし、漆器は艶が出て肌の透明感が増してきます。他にも使っていると手になじんできたりする道具はあって、でも結局、美とか手になじむといった感性に訴えかける変化が多いようです。

その点、おひつやダッチオーブンがすごいのは、使っているうちに機能性が向上するところ。スペックアップです。これこそ、育つ道具の王様。

「物を大切に」なんてことをいうけれど、新品の時が一番綺麗で機能も優れていて使っているうちに、ただみすぼらしく性能も落ちてくる消費材と、おひつやダッチオーブンのような「育つ道具」では、「大切にする」ことの意味がまったく違う気がします。どんどん使ってどんどん育ちどんどん鍛えられどんどん丈夫になる道具に囲まれて生活ができたらこんなに素敵なことはないなと思うのです。

2010/01/11

ペンを持った貴婦人

9日のこと。月刊誌『ウォロ』の読者会に参加した。ゲストは「ゆきさん」こと大熊由紀子さん。元朝日新聞論説委員で主に医療・福祉分野で精力的な活動を続けるジャーナリスト。『ウォロ』の連載原稿は、とても優しい「ですます調」の物語で、現場で頑張っている人を取り上げてエールを送る。

ゆきさんは、ものすごく忙しいので、今でもそうだが、僕が編集担当をしていた頃も、締切をとっくにすぎて出稿間際になってからの攻防となる。電話をかけると「大熊でございます。いつもご迷惑ばかりをおかけして申し訳ございません」とご挨拶。「締切を過ぎた原稿が3つほどございまして順番に仕上げておりますところです」と続く。

だいたい毎月同じようなパターンだったのだけど、出稿日の午前中のメールがこうだ。「品川駅へ向かうタクシーの中なのですが、新幹線に乗るまでには原稿をお送りしますので」。それから数分後にメールで原稿が来る。「のぞみ○号で京都へ向かいます。途中、○時○分に名古屋駅に停車します」。

今ではもう、いつでもどこでもメールを受信出来るのかもしれないが、当時は、高速移動中はメール受信はできなかった。品川から名古屋へのぞみが走る間に、こちらは受け取った原稿に校正をかけ、デザイナーにメールし、レイアウトに流してもらい、そのゲラに校正をいれ、PDF化してゆきさんにメールで戻す。

ゆきさんは、名古屋駅停車中にゲラを受信。そこからさらに京都への移動中にチェックして、京都で最終の修正を返信。それを受け取り、直しを入れて、印刷会社へ出稿。

これ以上の綱渡りはないのだが、原稿の完成度は高く不思議と連載が落ちるかもといった心配はなかった。

さて、そんなゆきさん。実際にお会いしても物静かで優しく、とても丁寧な言葉をニコニコと話される。ふんわりとした印象だ。

だがしかし、その外的な柔らかさに騙されてはいけない。

記事に取り上げる人の基準は?の問いに「やさしいだけの人は書きません。今ある制度を破壊してその先にある理想が見えてる方を書きます。だから私が書く方は、今ある制度を破っている方」。だからきっと敵も多いだろう。書く上で配慮すべきこともものすごく多いはずだ。しかし、出来上がる記事はそういう難しさを微塵も感じさせない軽やかで素敵な文章。

振り返って自分はどうだろう。考えさせられることがたくさんあった。

甘くて柔らかい大福餅を頬張っているつもりが、いつの間にか腹の中にずしりと重たい石を飲み込んでいた。そんな3時間だった。

■ゆきさんの「ゆき.えにしネット」
http://www.yuki-enishi.com/



2010/01/09

ライブ

友人たまっちに誘われて、ライブに行ってきた。

「Irish Meets African」つまり、アイリッシュとアフリカンの両方の音楽がいっしょにたのしめると言うちょっと変わったライブ。なかなか不思議な感じ。

アイリッシュの笛やフィドルの特徴的な音、ギニアから来られたサーヨン・カマラさんのジェンベを叩く腕のしなりやたたずまい、珍しい楽器、アフリカンダンスの精密で激しい動きなどなど、いろいろと見どころがあって楽しかったが、なにより面白かったのは、僕自身の聴き方で、最初のアイリッシュの演奏を聴くときは、「この音だとどんな映像にあうかな」というのを自然に意識して、後半のアフリカンは、「この音楽でワークショップやるならどんな感じにすれば良いだろう」なんてことを考えていた。

なんだか良い刺激になった。誘ってくれたたまっちに感謝。


2010/01/07

鍋炊き生活

 買って間もない電気炊飯器の調子がおかしいので、メーカーに修理に出した。当然、そうなると炊飯器がない…。というわけで、始まりました、鍋炊き生活。

 ネットで炊き方の概要を調べ、まずは小さめの土鍋で3合炊き。おいしいやーん。ならば、とステンレス鍋で炊き比べ。うん、まあおいしいけど土鍋の勝ちだな。次は玄米に挑戦。こっちは炊き方がいろいろあって迷うがともかく挑戦。炊けるやーん。いいぞ、次は大きい土鍋で5合炊きに挑戦。おお、できたできた。しかし量が多くなると課題が出てくるな。おひつの必要性も痛感。

 というわけで、毎日楽しんでます。タイマー、保温機能に頼りまくってたので、お弁当の時とかどうしよう〜?!と一瞬うろたえましたが、やってみるとイケるもんですな。また一つ、生活力がアップしてしまった。

 玄米炊くのが時間かかるのでなかなかできてないんですが、また研究していきたいです。あーでもこれじゃ電気炊飯器よりもご飯炊き用の土鍋が欲しくなってきちゃったな…。電気炊飯器、戻ってきても出番がなかったりして…。

雑誌『NAVI』休刊

自動車雑誌『NAVI』が4月号で休刊するそうだ。今では全く読まなくなったけれど、大学生のころ、毎月楽しみにしていた雑誌だった。

機械工学科だったこともあってクルマは好きだった。でも『NAVI』が好きだった理由はクルマ雑誌だったからと言うよりは、クルマそのものとさほど関係ない記事が面白かったからだ。僕が読んでいた頃は鈴木正文編集長時代で、脈絡なく左翼的傾向の強い記事が現れたりしてそういうのも新鮮だった。

矢作俊彦さんや神足裕司さんを知ったのも『NAVI』で、矢作さんは今でも大好きな作家だし、亡くなられたナベゾこと渡辺和博さんの自信たっぷりにわずかな隙間を通り抜けるような感性の連載も大好きだった。

クルマ雑誌のくせにクルマと全く関係ない記事がかなりあったりして、しかも、個々の記事で全く違う主張をしていたりして、そういう雑多なものを一つの媒体としてまとめあげているということにとても興味があって、僕が雑誌に対して憧れを持つようになった原因の一つでもあった。だから、読まなくなって10数年経つけれど、やっぱりちょっとさみしい気分になるし、申し訳ない気持ちも湧いてくる。買わなくなってごめんなさい。

そういえば、過去に好きで読んでいた雑誌って今はもう残っていない気がする。
『Beep』『LOGiN』『MACPOWER』、あ、マーパはかろうじて残っているのかな。ゲームやPCの雑誌だけれど、やっぱり、そういうメインのテーマからは外れた、ある種ふざけた記事が面白かったんだけどなぁ。

「雑誌、頑張れ」って思うけど、今やそう簡単じゃないし、真面目に頑張れば頑張るほど、そういうふざけた面白みは減っていっちゃうのかもしれない。

といいながら、実は小規模だけど雑誌を作りたいなと思って企画を温めています。今年、発刊できるといいな。


2010/01/06

綿菓子のように、はかないネットワーク

今日は職場の仕事始めで、恒例の互礼会があった。午前11時ぐらいから職場の仲間などで軽く飲みながら新年の挨拶をする会で、僕はこの職場で初めてこういう行事を知ったのだけど、この互礼会について、ささいなことだけど印象に残っていることがある。

何年か前の年末だったと思う。新年の互礼会に参加する人はどんな人かといったような話が職場で出た。僕の職場はNPOなのだけど、企業とは違って関わる人の立場が様々で複雑だ。僕のような有給の職員の他に、ボランティアで運営に関わるスタッフ、会費を払って支えてくれる会員、寄付をしてくれる人、似たような団体の業界的つながりのある人、業務上付き合いのある人などなど。そういうわけで、いったいどういう人が参加するんだろうか、というようなことで誰かが疑問を呈したとき、ボスが明快に言ってのけた。

「誰でも!表の道を歩いてる知らん人でもええねん」

このボス、この業界では結構な人なのだが、その場その場でウケを狙って適当な事を言う典型的なお調子もんでもあって、現実には、事務所の前をただ歩いている赤の他人が、正月だからと言ってうちの事務所の中に入り込んでいっしょに呑みたいと言ったときには、少なからず混乱が起きると思う。

だけどともかくその「誰でもええ」という言葉を聴いた瞬間に僕は、わけもわからず後頭部のあたりを掻きながら機嫌よくビールを呑んでいる見知らぬおっちゃんが互礼会の場にいる姿が思い浮かんで、その光景がやたらと面白いと思った。と同時に、僕の周りにある目に見えない鎖の輪っかの一つ一つが砕けるように弾け飛んでいくイメージが鮮明に浮かんだ。

その時その言葉は、その場にいた誰にも相手にされなかったと思うけど、僕はそういうわけで、そのやり取りを印象深く覚えていて、今日の互礼会の時もそれを思い出して考えていた。考えているうちに、はじけ飛んだ鎖の正体も見えてきた。

いま、社会で生きていくために最も重視される要素は人間関係だ。多少人より作業が速かろうと発想が独創的であろうと、結局のところ良好な人間関係を築けるかどうかが人の評価を決めてしまう。人が抱えるストレスの原因はほぼすべて人間関係によるものだと言ってもいいし、ホームレス状態になったり、自死を選ばざるを得なくなるのは、これらの「つながり」が失われた結果だ。

そのため、人は、より強く、より多くの人とのつながりを得るために努力することになる。新たな人と出会ったり、既存の知人関係を強化することで、その人が社会で「力」を持つ仕組みだけど、気をつけないといけないのは、その同じ努力が、人間関係の網目から外れた「他人」を排除する「力」を強化することにもなるということだ。排除された他人はもはや人ではなく、風景となる。

また、自分は太いつながりがあると思い込んでいた相手から「細い」扱いを受けたときにも、強い疎外感が生まれる。本来、自分を守り、自分の力をより引き出してくれると信じ、強化し続けていた人間関係が、実は、他人を排除するとともに、自分を縛る鎖になっていく。

そんな自分で自分を縛り付けていく鎖を「誰でもええ」は、軽やかに砕いてしまったわけだ。

「だれでも、道を歩いてる知らん人でも」、わけもわからないまま入り込んで、その場にあらかじめ存在していた強固なネットワークに組み入れられないまま、その瞬間だけ綿菓子のような細い糸でゆるやかに結ばれ、宴が終われば、じゃぁ!といって消え、いったいあれは誰だったんだろうねとささやかれる。

そういう「ふいに生まれふいに消えていく」軽やかな関係は幻想かもしれないけれど、そういう可能性を受け入れる心づもりをいつも隅っこに残しておきたいと思う。


2010/01/04

ねずみが天井裏を走り回り

夜中、ねずみが天井裏を走り回る物音で目が覚めた。
部屋に入ってくるルートはないので、ひたすら天井裏をあっちへダダダッ、こっちへダダダッ。

これまでにも何度かあったのだけど、うちに住み着いているというわけではなさそうで、おそらく外から入り込み、やがて出て行くよう。

でも、そのうち、壁や天井に穴をあけて顔を出したらと思うとさすがに恐い。
そのねずみがたとえ、片手に齧りかけのチーズを持っていたとしても恐い。

もちろんネコの「しっぽ」君もそわそわと落ち着かない。

うちの「しっぽ」は狩りがうまくて、そういえばときどき家の外でねずみも捕ってくる。
獲物を飼い主に見せに持ってきて、まだ動くやつをさんざん弄んで、動かなくなるとすっかり食べてしまう。
ねずみだって生き物だし、ネコだって生き物だけど、アニメのような感じにはならなくて、最後は血の臭いが充満し、ねずみの尻尾だけが残っているような、なかなかすごい状況になる。

あれが部屋の中で展開されるのはかんべんして欲しい。

天井裏には食糧になるような物はなんにもないので、ねずみも間違って入ってきてるんだと思うけど、どこから入ってるのか突き止めて穴をふさいでおこうかな。


カフェ放送てれれ1・2月号、ぜひ!

うめちゃん監督作品、大谷も撮影(と主題歌の作詞)で参加の「SHODAN~障害者ボランティア集団」がカフェ放送てれれに登場です。(下のほうにあるyoutubeのダイジェストの最後の方、ちょこっとだけ観られますよん)

この「SHODAN」、実は「みのおムービー大賞2009」で次世代映像アーティスト部門・優秀賞受賞しました!
http://www.m-waiwai.com/movie/results/kekka_09.html
次世代、一刻も早く来て欲しいものです。

ぜひ、お近くのカフェ放送てれれの上映会場で御覧下さい!
「てれれ、興味あるけどなんだか恐い」という方は、大谷までご連絡を。一緒に行きますよ~。

<カフェ放送てれれ 1&2月号>

●上映作品

1 『山形でゲリラ上映をした』13分/新井ちひろ&橋爪明日香
軽トラックにテント、食料につめこんで、あこがれの山形をめざす旅。

2 『国境を見よう』5分/サンディエゴとティファナの子どもたち
2009年に上映したアニメーション『国境を越えて』の第2弾。今回は、国境を越えて動物園に行く子どもたちの冒険物語。

3 『なんとしても再建したい~あきらめずに一歩ずつ~』 
7分/社会保障解体に反対し公的保障を実現する会・阪神
昨年3月に全焼した尼崎の小規模作業所「ほほえみ」。その後の様子。

4 『Alba』11分/水井久貴
歌を生業にすることとは? 
若手声楽家と映像作家のジャムセッション的コラボレーション作品。

5 『SHODAN ~障害者ボランティア集団~』10分+α/梅田純平
障害者がボランティアします。みんなイキイキしています。


●ダイジェスト版


●上映スケジュール

1月6日(水)19:00~ fair-trade cafe Paco
1月7日(木)19:00~ ツイてるカフェ楽夢
1月8日(金)19:00~ カフェ・コモンズ
1月8日(金)19:00~ 天人
1月9日(土)19:00~ SoHo Art Gallery Cafe
1月9日(土)20:00~ 天満天六・音太小屋
1月10日(日)14:00~ ひこばえ
1月11日(月)14:00~ 新聞女
1月13日(水)20:00~ どるめん
1月15日(金)20:00~ アトリエ輪音
1月16日(土)15:00~ 自由空間倶楽部
1月16日(土)19:00~ シネマ館
1月19日(火)20:00~ すろまい
1月21日(木)19:00~ オシテルヤ
1月22日(金)19:00~ ばんまい
1月23日(土)15:00~ 希鹿亭
1月24日(日)14:00~ メディアスタジオSANA【NEW!】
1月25日(月)19:00~ 京都三条ラジオカフェ
1月27日(水)13:30~ 八尾市市民活動支援ネットワーク「つどい」
1月27日(水)16:00~ パンゲア
1月28日(木)19:00~ 笑門來復
2月6日(土)14:00~ つむぎの家
2月7日(日)14:00~ すぺーすf
2月7日(日)16:00~京都文教サテライトキャンパス宇治橋通り
2月9日(火)20:00~ Vi-code
2月12日(金)20:00~ HEAVEN’S CAFE
2月16日(火)19:00~ てれれ事務所
2月17日(水)19:00~ 中原さん宅
2月18日(木)18:00~ 自主ゼミNPO
2月20日(土)15:00~ CafeROWAN
2月20日(土)16:00~ さいりん館
2月24日(水)19:00~ カボチャソース
2月24日(木)18:30~ Cafeどれみふぇ
2月27日(土)18:30~ ぱれっと

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上映店情報等、 詳しくは 
http://www.terere.jp/cafe.htm をご覧ください。

*上映日程は諸事情により変更されることもございます。
  最新情報はHP、またはお問い合わせください。
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子どもと一緒に年賀状を出しに

息子と一緒に年賀状を出しに駅前の郵便局まで。

家から郵便局まではずっと下り道。それもあって、家を出た途端、走り出す息子。
最近よく走るようになった3歳。

でもそれ以上によくしゃべる。
その上、犬やネコはもちろん、落ちている吸殻だの道端の花だのにもいちいち反応する。
「大きい犬だな」「なにしてるんだろうな」「ネコちゃん、歩いてる」
全速力で走りながら、見て聴いてしゃべる。子どもってすごいなと思う。

さて、僕はというと、走りだすとすぐに黙ってしまう。視野も狭くなる。
ここ数年、そんな感じでした。でも、今年はたっぷりしゃべりますよ~。

で、そうそう、実は、twitterを始め・・・ようかと思って、いろいろ見ていたんだけど、今ひとつ乗り切れなくてやめちゃいました。でも、とり・みきのつぶやきは聴きたいと思いました。それと地震速報、いいですね。

とり・みき
http://twitter.com/videobird

地震速報
http://twitter.com/earthquake_jp


2010/01/03

明けましておめでとうございます

2010年です。そんな映画ありましたね。

今年は転機の年です。これまで以上に周りの皆さんに迷惑をかけていくことになりそうです。
この数年、まるネコ堂としての発信をサボってしまっていましたが、今年は復活させていこうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

そうそう、ぶらぶらっと検索してたら、面白そうなサービスを見つけました。
http://www.wolframalpha.com/
「知識計算機」?
たとえば、朝ごはんの納豆を混ぜながら、ふと「日本のGDPのこの20年の推移が知りたいなぁ」なんて思ったら、ウルフラムアルファで「japan GDP」。
猫の散歩をしている最中に正弦波の逆関数をプロットしたくなったら「plot arcsinx」。数式も美しくて嬉しい。

ね?なかなか楽しいでしょ。「グーグルキラー」と呼ばれているとかいないとか。

そういえば、このカラフルなとげとげのロゴ、どっかで見たことあるよなぁと思って調べたらウルフラムってマセマティカを作ってる会社でした。大学院時代、ちょびっと使ってたことがあります。

ということで、新年なので、ちょっぴり未来を感じさせる話題でした。